2013年3月20日水曜日

コーヒーカップ


行ってみたかったメキシコの街を二ヶ月近く掛けて旅をしてきて
オアハカに戻って来たのは3月の半ば
バスのターミナルからタクシーに乗ってオアハカの街を窓越しに眺めた時
オアハカが自分にとって懐かしい場所になっていることに気がついて少し不思議に思えた。

懐かしさって言うのは安心感とワンセットかな?
二ヶ月近くの旅で疲れていたのと
見知った街に帰ってきた安心感が大きかったのかもしれないけど
街を走るタクシーの窓を見ながら気持ちがグッとおセンチに傾いた。

旅をしているとスペシャルなものを沢山見るし感じるわけで
それはそれはくたびれる、それにメキシコの旅は緊張感も必要で
疲れていたんだ!
オアハカに帰って来て具合が悪くなった。
そんな時に旅で知り合った友達からから「旅には休息も必要です。」なんていうメールを受け取ってそうか?休息だ!

歯まで痛み出して、日本から持って来ていた薬を飲んでゆっくりとオアハカで過ごす。
そうしてみると以前に過ごした二ヶ月間の間に目に入らなかったものが見えてきたり、
以前は別に欲しいとも思わなかったものが欲しくなったりした。

オアハカに帰ってきてコーヒーカップを買っちゃった。
バックパッカーのべべが陶器のコーヒーカップなんて買ったって持ち歩いてる間にすぐに壊れちゃうって………
でも欲しくなって買った。
バロベルデと呼ばれる陶器のコーヒーカップは薄手の
織部色の焼き物でオアハカの小さな村で焼かれているんだけど
おたふく風邪でもひいたみたいに半分から下がまあるくぷっくりと膨れた形が愛嬌があってかわいいんだ〜

両手で持つとすっぽりと手のひらの中に収まるくらいの小さめの大きさで毎朝美味しいコーヒーをこのカップで飲みながら旅のイロイロを浅く思い返してみたりしてる。

すぐに割れてしまうかもしれない、それでもいいや、そう思って買ったコーヒーカップだったけれど
旅の終わりが近づいて来た今となっては
日本に帰るまで何が何でも壊さずに持ち帰ろうという覚悟が出来たのだ。